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2004.10.08

髑髏城の七人(アオドクロ)

Inouekabuki Shochiku-mix
「髑髏城の七人」(アオドクロ)
10/6(水)18:30-22:20(途中休憩20分あり) @日生劇場
公式ページはこちら

1990年(未見)・1997年(見ました)と「7年ごと」の節目上演となるこの演目、今年は春に上演された「アカドクロ」との競演でした。物語は一緒・演出とキャストを総取っ替え。ものがたりを見せることに徹し、歌なしケレンな演出は極力排除、なアカに比べて、歌どっさり装置も豪勢なアオ。この初日公演を見てきました。

ネタバレなし感想は「地のアカ、天のアオ」「新しい道は、過去からの地続き」「それが見たかったのよ!」

以下、上に付加するかたちでネタバレありの覚え書きを:

◆地のアカ、天のアオ-天魔王と捨之介の設定
「天」に昇ってしまった殿様(信長)と、「地」に残っ(てしまっ)た捨之介と、天魔王。従来版及びアカドクロ(古田新太版)の捨之介/天魔王は「地にあることを余儀なくさせられた(ことを受け入れたのが捨之介・怨念が天魔王)」だったのに対し、アオドクロでのそれは「身体はもう天にあるが、やり残したことへの無念を晴らすために再び地に戻った。その魂の対が捨之介と天魔王」との印象がありました。炎の色のアカと、閉め切った楽堂の内に一本灯した蝋燭の明かりのようなアオ。古田新太/市川染五郎、のニンの差に因るのでしょうが、古田さんのそれが人間味の強い、欲望を前面に押し出す形なのに対し、染五郎丈のそれはなんというか…仙界の存在を見ているような、そんな感覚がありました。全然違うはずなのに、真っ先に思い出したのが鳴神だったり。

◆新しい道は、過去からの地続き
最初に好きになった時の気持ちは、常に心の中にあります。再演と聞くと、当時の気持ちを「もう一度」と思ってしまいます。それは、ややもすると現在の舞台を否定する方向へと向かいがちです。ものがたりが同じで、それを演ずる役者さんが贔屓のひとから違う人へと変わった場合は、特に。ですが、残すべきところは残した上で「大きく変えて」くれたのなら。それはまた新たな楽しみを教えてくれるのだな、と思いました。ベテラン劇団員で〆るところはきっちりと、客演の役者さんで全く新しい色を作って見せる。前(々)回を見ているファンにもサービスな演出を。その3点をきっちり満足させてもらいました。

◆それが見たかったのよ!
主役である捨之介/天魔王は当然ながら、準主役である蘭兵衛・極楽太夫・沙霧の3人がこの芝居の柱なんですね。今回蘭兵衛と極楽太夫がどっしり安心して見られたのが、大変嬉しかったです。蘭兵衛役の池内さん、初舞台とのことで実は期待度が低かったのですがなかなかどうして。捨之介/天魔王と同じく演出をがらりと変えた(*1)こともあり、非常に凛々しい立ち姿でした。楽日までにどう化けてくれるのか、楽しみにしています。

極楽太夫役の高田聖子さん。1997年版ではどうしても沙霧の影を追ってしまったのが、今回は堂々自分の役に。そして村木よし子さんと山本カナコさん。この3人の役者としての立ち姿と、そして「3人の歌がたっぷり舞台で堪能できる」のがなんとも久々、そして待ちこがれておりました!初演版の役に戻られた粟根さんも、得物にソロバンと、'97版の役所を彷彿とさせる演出が。豪華な客演陣も結構。でも、私が新感線を見に行くのは劇団のメンバに惚れ込んだがため(一番贔屓の古田さんはアカドクロ出演だったんで、今回はいらっしゃいませんが)。メインの華とはまた違う輝き方で、自分の好きな役者さんたちが大暴れしてくれるのなら、こういう形も大歓迎です。

◆より贅沢をいうなら
染五郎丈の華は流石だ、と思います。が、どうしてもわたしの中には「古田新太」の捨之介/天魔王像が強くありすぎる(*2)こと、また捨之介/天魔王=陽、蘭兵衛=陰との関係性を見立てた場合に、アオドクロ版でのそれは逆に感じられるので。出来れば「古田新太=捨之介/天魔王 市川染五郎=蘭兵衛」てなかたちのそれを見てみたいと思っております。

(*1)アカドクロまでは蘭兵衛=男装の女性、との設定でした。今回ははっきり男性、の設定に。('97版は男優さんが演じてましたが、演出はその意図を含んでいた印象が))

(*2)「阿修羅城の瞳」は初演版を見ていなかったので、すっと染出門になじめたんですけど。

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